インターネットを利用した授業と国際交流

(平成十年度岐阜県商業教育研究会 掲載原稿 Takahiro)

T はじめに
 今から4年前、ある先生がニフティサーブを利用し、生徒に電子メールを実践させていました。相手は、アメリカ人のビルさんという方です。電子メールの方法を教えて頂くと予想以上に簡単でした。早々、自分でビルさんに電子メールを出してみました。すると、返事がすぐに戻ってきました。この時、心の底からなんとも言えない感動を覚えました。特に、自分の英語がコンピュータを通じ、瞬時にアメリカまで届き、その返事がアメリカからすぐ到着した事など以外でした。このように現在に至るまで本当にさまざまな勉強と出来事、そして感激がありました。
学校には、インターネットに接続できるコンピュータは1台しかありません。
ある高校のようにサーバーがあるわけではありません。ただ1台のコンピュータがプロバイダーに接続しているだけです。
 この状況で、@1クラスの授業をどのように展開するか。A電子メール相手が外国に住む人であるため、どのように長期の関係を継続するか。B大勢の電子メール相手をどのように探すか。C生徒をどのように指導するか等さまざまな不安を抱き、試行錯誤を繰り返しながら今まで展開してきました。

U インターネットを利用した授業展開
1 課題研究
(1)テーマ:インターネットを利用した海外とのコミュニケーション

(2)目的
@ 「考える」力を養い、創意工夫し、個性を伸ばす。
A 英語によるコミュニケーション能力を養う。
B 異文化理解を深める。
C 国際化・情報化に対応する能力を養う。
D 学科の特色を生かす。

(3)内容
@ 各自の研究テーマを設定し、調査・研究・まとめを行う。
A 調査方法は、インターネット(特に、電子メール)を利用し、海外のメールフレンドから情報収集を行う。
B 電子メール以外に、画像・音声・音楽・ホームページ等インターネットの特性を生かし利用する。
C 状況に応じて、手紙・物・ビデオ等の交流を行う。

(4)対象生徒:国際経済科3年生・選択

(5)授業展開
@ オリエンテーション
A 各自のテーマ設定
B 自己紹介及び研究内容の英文作成
C 電子メール送受信方法の学習
D 海外へ電子メールの送信
E 電子メールの受信
F 電子メールの返信
G 上記 E・Fの繰り返し
H 画像・音声の送信
I 関係ホームページの参照
J レポートまとめ
K 発表会
L レポート製本

2 情報処理
(1)目的
@ 情報収集・処理能力を養う。
A 表計算ソフトの個性ある利用方法を修得する。
B ワープロソフトを利用し、電子メールの作成方法を修得する。
C 文書・画像・音声等電子メール及びホームページ等のインターネットに関係する知識を養う。

(2)内容
@ 表計算ソフトを利用し、情報収集
及び整理をする。
A ワープロソフトを利用し、電子メールを作成する。
B インターネットに接続されているコンピュータを利用し、電子メールの送受信を行う。
C 画像・音声の送受信を行う。
D 関連するホームページを参照する。

(3)対象生徒:国際経済科1年生

(4)学習時期:後期

(5)授業展開
@ オリエンテーション
A 表計算ソフトを使用し、各自の情報収集の元データを作成・印刷
B 身の回りの情報をデータ化
C ワープロソフトを使用し、情報収集内容を英文化
D 海外の情報収集をするために、電子メールの送受信
E 海外の情報収集した内容を表計算ソフトに入力
F 全ての情報を処理し、分析
G 分析結果を印刷及び提出
H 製本(予定)

V 海外の電子メール相手について
(1)相手国:アメリカ(ハワイを含む)・イギリス・オランダ・ペルー・シンガポール・香港・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・韓国等10カ国

(2)人数:300人から400人


(岐阜新聞 平成10年2月19日付)

(3)電子メール相手を探す方法と管理
@ ホームページの検索からメーリングリストを選び、学生を中心に選定する。A AETにも協力して頂き、授業の趣旨を電子メール相手に伝える。
B 返事が届いた中から、生徒が交流する相手として適切がどうか判断する。
C 本校のコンピュータ内のアドレスリストに登録する。
D 特に大きなトラブルは、今までにないが、意志疎通の面でコミュニケーションが上手く取れなかったことはある。
カナダのある学生から来た電子メールに、いたずらだと思われるが、教育上よくない卑猥な言葉を使い電子メールが届いた。スラングが多く使用されていたので、生徒は理解できなかったが、この電子メールをコピーし、送ってきたカナダの学生の担当教師宛にクレーム送信した。早々、先方から謝罪の電子メールが届く。このように、何か問題が発生しても電子メールは証拠が双方残っているケースが多くトラブルにも対応しやすい面もある。
E 生徒の個人情報には最前の注意を図る。
F 長期休業前に、関係が途切れないよう、担当教諭から全電子メール相手へその旨を送信する。
G 生徒1人に対し5人から10人の電子メール相手がいないと、授業展開が難しい。そのため、1クラスの授業を展開するために、300人から400人の電子メール相手が必要になる。
H 300人から400人の電子メール相手を探すのに、約1,500通の電子メールを送信した。
I 常に新しい電子メール相手を確保する努力が必要になる。

W 特別な出来事
(1)電子メールで知り合うことができた大垣商業高校卒の留学生が来校し、生徒にいろいろ話をきくことができた。

(2)電子メール相手のアメリカ人の方が、本校に来て、生徒と交流ができた。


(岐阜新聞 平成10年5月29日付)
(3)生徒研究発表大会で優秀賞を受賞することができた。
(4)アメリカのある学校の先生から、アメリカのレトルト食品とお菓子を送っていただき、外国の食事をみんなで作り、試食した。
(5)カナダの学生とチャット上で知り合い、生徒間交流の中で、音声・音楽・写真を電子メールを利用して送信していただいた。
(6)ライオンズの関係で来校したマレーシアの学生が、帰国後も生徒と電子メールを利用し交流する。
(7)外国の食文化をテーマにしていた生徒が、お寿司の素とそばをオランダの電子メールフレンドへ送った所、その食材を調理している風景をデジタル写真で送ってきた。


X 生徒の感想例
(1) 始め英文を作成するのに、苦労したが何回か作成している内に慣れ、下書きをしなくても入力できるようになってきた。
(2)初めて電子メールを受け取った時、とてもうれしかった。
(3)自分の英語が通じてよかった。
(4)自分の英語に少し自信を持った。
(5)辞書を引くことが、苦にならなくなってきた。
(6)もっと英語を勉強しなければならないと思った。
(7)外国の文化をいろいろ知ることができるようになった。
(8)日本の文化をもっと勉強しなければならないと感じた。
(9)電子メールは、送信してすぐに返事がくるので、外国がとても身近に感じた。
(10)自分で考えることが苦手であったけれど、少しづつ慣れてきた。
 全体的に予想を越える反響があり、非常に驚いた。しかし、生徒は、電子メールの返事が来ないとストレスを感じる様子で、この面のフォローが大切になってくる。

Y 海外研修訪問校とのインターネットを利用した交流
(1)交流先:E高校
(2)国名:ニュージーランド
(3)内容:海外研修(2年生9泊10日)時の学校訪問先(学校見学・交流会・フリーマーケット)とインターネットを利用し、事前事後交流を行う。
(4)交流方法:相手の日本語コースの生徒の事も考慮し、日本語混じりの英文をスキャナーし、絵として送受信する。
(5)交換留学:相手校と直接交換留学を実施しているため、交換留学生徒間の情報交流でインターネットを一部利用する。

Z まとめ
 インターネットは、さまざまな目的を達成するための手段であると感じます。 「国際化」「情報化」「心の時代」に楽しみながら少しでも対応できるよう、未熟ですが今後も努力していきたいと思います。
 関係者の方々には、御指導御鞭撻賜り誠にありがとうございました。

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